ビデオと VITC 信号
ブラック・バーストとハウス・ビデオ・リファレンス ブラック・バースト信号は、基本的に「位置のない」
ビデオ信号です。他の「共有の」ビデオ信号と同じ様に、
バッファーと分配が正しく行われたソース(ビデオ分 配増幅器やチェーン内の別の機器のハウス・ビデオ・
リファレンス/ブラック・バースト出力など)からビデ オ信号を受信するようにしなければなりません。
ハウス・ビデオ・リファレンス(ブラック・バー スト)の代わりにビデオへ同期する
SYNC HDをハウス同期でなくビデオ信号へ同期さ
せる理由はいくつかあります。
ハウス・ビデオ・リファレンスが使用できないとき
Pro Tools(または他の機器)をビデオへに同期する
とき、かつ以下のいずれかの場合はビデオ信号へ同期 します。
• ハウス・ビデオ・リファレンスがない。または
• ハウス・ビデオ・リファレンス入力と同期機能のな い機材(民生クラスのVCRやコンピュータ・ベー
スの入門レベルの編集システムなど)を使用している。
単純なセットアップ1〜2台 のVTR、Pro Tools、
SYNC HDを使った小規模のセッティングでは、クロ
ック・リファレンスとしてビデオ信号が十分に使用で きる場合が多いです。この場合は、クロック・リファ レンスとしてビデオ信号を使用して正しい同期を得る ことができます。
VITCをクロック・リファレンスに使用できない 理由
VITC自体は、クロック情報をタイムコード情報の一 部として直接提供せず、位置情報のみを提供します。
しかし、VITCは常にビデオ信号に埋め込まれている ため、[Video In](またはスタジオがハウス・ビデオ・
リファレンスを使用している場合は[Video Ref])を
クロック・リファレンスとして選択することにより、
そのビデオ信号をクロック・リファレンスとして使用 することができます。
VITCタイミング・ルール
VITCを生成または再生成する際には、以下のルール が適用されます。
再生成されるか生成されるかに関係なく、挿入され るVITCはモノトニックでなければなりません。
モノトニックとは、フレーム・アドレスの繰り返しや 飛びがなく、VITCが滑らかに昇順または降順になっ ていることをいいます。モノトニックにするには、外部 ポジショナル・リファレンス(再生成中)またはク ロック・ソース(ジェネレータ・プリセット・モード の場合)が、VITCが挿入されるビデオ信号と同期し ている必要があります。
VITCタイミング・ルールの例
たとえば、3/4インチのUマチックVTRからのポジ
ショナル・リファレンスとしてLTCを使用している
場合、そのVTRはSYNC HDに適用しているビデオ
信号 を参照しなけ ればな りません。別の 例として、
ジェネレータ・プリセット・モード(ポジショナル・
リファレンス = 生成)の場合、内部のクロック・リファ レ ン ス を 選 択 す る べ き で は あ り ま せ ん。こ れ は、
SYNC HDの内部クリスタルが供給されるビデオ信
号と非同期で動作することにより、フレーム・アドレ スの繰り返しや飛びが生じるためです。
LTC 信号
LTCはアナログのオーディオ信号であるため、テープ のドロップアウト(テープの劣化)や、LTCソースと LTC入力間のレベルの不一致の影響を受けることが あります。 SYNC HDのフリーホイール機能により、
比較的軽度のタイムコードのドロップアウトを補正す ることができます。しかし、重度のドロップアウトの 場合、正確な同期を維持することができないこともあ ります。
LTCをクロック・リファレンスとして使用しようとす る場合(LTCをポジショナル・リファレンスとしても 使用しているかどうかに関係なく)、LTCができるだ
け高レベルで乱れなく録音されていること、および
1/80フレーム以上の長さのドロップアウトがないこ とを確認する必要があります。
SYNC HDは、最 低-12dBu(で き れ ば0dBuから
+3dBu)のLTC信号が供給される場合に、最も正確
にLTCを読み込みます。
LTCサーボ・ゲイン
SYNC HDのフロントパネルおよびPro Toolsのセッ
ション設定ウィンドウから、SYNC HDのLTC入力
のサーボ・ゲインを調節することができます。詳しくは、
「サーボ・ゲイン」(126ページ)をご参照ください。
アナログ・マシンの使い方
24トラックのアナログ・テープデッキで、トラック24
にリファレンス・レベル-10dBu(またはそれよりも
低い)タイムコードを録音し、トラック23を「保護」
トラックとして空のままにしておくのは、よい習慣です。
この方法により、タイムコード・トラックと隣接する オーディオ・トラックとの間でクロストーク(信号漏れ)
が「重なり合う」のを防ぐことができます。タイム コード(音程の方形波を変化させる中間周波数)は隣 接するトラックからのクロストークに非常に敏感に反 応するため、可聴タイムコードがオーディオ・トラッ クに漏れないようにします。
ATRがシンクロナイザーによってコントロールされ ている場合は、シンクロナイザーとSYNC HDの両方
が同じリファレンス・ソース(ビデオ・ブラック・バー スト・ジェネレーターなど)へロックしていなければ なりません。
LTC/VITC 自動切替
LTC/VITC自動切替により、SYNC HDが2つの(タイ
ムコード)ソースのいずれかを自動的に選択します。
LTCおよびVITCは、どちらも便利で独特な機能を有 しています。たとえば、一時停止しているビデオテー プからはLTCを読み取ることができません。した がって、LTCのみを使用すると、テープが一時停止し ているときにPro Toolsを使用してリージョンの自動 スポ ッティングを行うこ とはで きません。しかし、
VITCは画像が表示されている限り読み取れるため、
VTRが一時停止しているときにポジショナル・リファ レンスとして使用することができます。一方、早回し 速度ではVITCを読み取ることができません(放送品 質のVTRを除く)。LTCは、ATRまたはVTRの高
性能周波数特性内にその信号があれば、早回し速度で も読み取りが可能です。
LTC/VITC自動切替の例
高速検索およびキュー中、またはVITCを読みとる
にはテープ速度が速過ぎる場合、SYNC HDはポジ
ショナル・リファレンスをLTCに切り替えます。
LTCが停止または使用不可能な場合、SYNC HD
はVITCに切り替えます。これには、たとえばテープ が一時停止または停止した場合が含まれます。
LTC および VITC のどちらも使用可能な場合、
SYNC HDは、再生速度に基づき、どちらかを選択し
ます。通常の再生速度の約75%の速度が、どちらが選
ばれるかを決定する点になります。再生速度の75%を越
えるとLTCが選択され、75%を下回るとVITCが選
択されます。
ドロップアウトが発生したときは、SYNC HDは、逆の
ソースに切り替える前にフリーホイールの期間が終了 するまで待機します。どのソースも使用可能でない
場合、SYNC HDはタイムコードの読み取りを停止し
ます。
デジタル・クロック信号の種類
リファレンス・クロック信号は、デジタル録音システ ムの一部です。これが必要なのは、デジタル・オーディ オ情報が組み合わさったり機器間を通過したりしたと きに、再生するサンプルと録音するサンプルの位置合 わせを行わなければならないからです。場合によって は(AES/EBUま た はS/PDIFデ ジ タ ル・イン タ ー フェースを使用する場合など)、クロック信号はデータ・
ストリーム自体に埋め込まれます。また、S/PDIFのよ
うに、クロック信号がデジタル・オーディオ・サンプル・
データとはまったく別の信号として伝達される場合も あります。
SYNC HDは、AES/EBUとワードクロックへ同期で きます。
AES/EBU
業 務 用 デ ジ タ ル・オ ー デ ィ オ 製 品 に よ っ て は、
AES/EBU「ナル・クロック」(クロック情報のみを含み、
オーディオ情報を含まないAES/EBUデータ・スト
リーム)をシステム・クロック・リファレンス・ソー スとして使用するものもあります。これらのシステ ムは、ハウス同期がビデオ機器全体に伝達されるのと 同様、デジタル・オーディオ機器全体に伝達される単
一のAES/EBUマスター・クロック・ソースに依存し
ます。 SYNC HDをこのようなシステムに接続してい
る場合、すべてのシステム・コンポーネントが同一の タ イ ム ベ ー ス に 参 照 さ れ る よ う、S Y N C H Dの
AES/EBU入力をクロック・リファレンス接続として
使用します。(AES/EBUクロックは176.4kHzおよ
び192kHzのサンプルレートに対応していません。)
場合によっては(SYNC HDをデジタル・オーディオ・
ワークステーションなしでスタンドアロンのクロック・
レゾルバまたはタイムコード・ジェネレーターとして 使用する場合など)、DATマシン(または同様の機器)
をAES/EBUナル・クロックのソースとして使用し、
システムをこのリファレンス・ソースに追従させたい 場合があります。この場合、AES/EBUデータ・スト
リーム内のオーディオ・サンプル・データが取り除かれ、
クロック情報のみが使用されます。
ワードクロック
多くの業務用デジタル・オーディオ製品—オープン
リールのマルチトラック・テープ・レコーダー、デジ タル・ミキシング・コンソール、Tascam DA-88モジュ
ラー・デジタル・マルチトラック・レコーダーを含む
—には、ワードクロック(1xサンプルレート)コネ
クターがあります。
ワードクロックは、DA-88(と他のワードクロック互 換機器)が、結果として再生と録音の速度をコントロー ルする、サンプルレートをコントロールする外部ク ロック情報を送受信することを可能にします。
ワードクロックだけを使用し、1つのソースをワード
クロック・マスターに選び、他のソースをワードク ロック・スレーブとして設定し、スタジオでデジタル 機器の「チェーン」を作成することができます。
バイフェイズ / タコ
バイフェイズおよびタコは、磁気装置、16、35、70mm
プロジェクター、フラットベッド編集システム、その 他の種類のモーター駆動フィルム装置で使用されます。
バイフェイズ(直角位相同期と呼ばれることもあります)
とタコ情報は、類似していますが明らかに異なるもの です。
バイフェイズバイフェイズ信号は、2つの方形波から
構成されています。方形波は機器のトランスポート機 構により直接生成され、お互いに90°異相になってい
ます。バイフェイズ生成機器は、再生すると同時に、
いかなる速度においても(停止/一時停止を含む)、
SYNC HDがクロック・リファレンスとして使用でき
る安定した方形波を出力することができます。
SYNC HDは、2つの方形波の位相関係を使用し、機器
の方向(早送りまたは巻き戻し)を決定します。しかし、
これはSYNC HDがバイフェイズ信号をポジショナル・
リファレンスとして使用している場合にのみ該当し ます。
タコタコ信号は、バイフェイズの変形です。タコの2
つの信号は、1つは方向インジケーターとしてのみ使 用され、もう1つはベロシティー(速度インジケー ター)として使用されます。クロック・リファレンス としてタコへ同期するときは、SYNC HDはこの速度
信号を使用します。